2011年6月18日

ふるさとの山


ふるさとの 山にむかいて言うことなし ふるさとの山はありがたきかな

JR東日本の発行している小冊子トランヴェールを盛岡へ向かう東北新幹線の中で読んだ。その号の特集は、多くの作家さんからの東北にまつわるエッセイの特別寄稿であった。その中に、内館牧子さんが数年前に心臓弁膜症で倒れ、岩手医大に入院してたときのエピソードを綴っていた。看護士さんに「今日は岩手山がきれいに出てますよ」と声をかけられたことから、その岩手山を窓際まで見に立ち上がるために必至にリハビリに励んだという内容であった。

私の実家の窓からは岩手山がバッチリ見える。「今日は岩手山がきれいに出ているよ」という会話はあまりに当たり前に行われて、そこにいるころは意識すらしなかった。故郷を離れてもうすぐ20年、その環境がいかにすばらしいかということを痛感している。

山に囲まれた盛岡で育ったからか、山の多い国の人間だからか、日本に帰る度に山に魅せられる。そして、マンチェスターに戻る途中、海援隊の歌じゃないけれど、「思えば遠くへきたもんだ」とつくづく思うのである。

4 件のコメント:

まどか さんのコメント...

もう帰ってきたんやー、お疲れ様。実家どうやった?

いぎりす の M さんのコメント...

まどかさん、実家は地震の後遺症も少なく平和だったよ。ただ、津波の来たエリアの被害規模がやはり自分の予想していたのを莫大に上回っていたし、復興は私が期待していたほど、進んでいなかったよ。

yamashita さんのコメント...

震災から3ヶ月ちょっと。いまこの時点のふるさとを自分の目で見ておくのは大事なことですよね。お疲れ様でした。

いぎりす の M さんのコメント...

yamashitaさん、今の日本の政治は最悪ですが、東北人は頑張っていましたよ。